コンサータ錠 AD/HD治療薬
4月から管理薬剤師になるということでコンサータ錠の新規登録をするついでに軽く特徴をば。
けっこううちの薬局来るんですよね(笑)
コンサータ錠
成分名:メチルフェニデート塩酸塩
向精神薬区分:第一種向精神薬
・国内で初めて小児期のAD/HDへの適応を取得した薬剤。成人期AD/HDへの使用も可能となっている。
・企画は18mg、27mg、36mgとある。
作用機序
ドパミントランスポーター及びノルアドレナリントランスポーターに結合し再取り込みを抑制することにより、シナプス間隙に存在するドパミンとノルアドレナリンを増加させて、神経系の機能を更新する。
特徴
・1日1回、朝に服用することで速やかに効果が発現
・服用後約12時間効果が持続するように設定(徐放錠)
・薬剤の外皮は内部の不溶性の成分と一緒に糞便中に排泄されるが、正常なことで心配はいらない。
用法用量
18歳未満の患者
通常、18歳未満の患者にはメチルフェニデート塩酸塩として18mgを初回用量、18~45mgを維持用量として、1日1回朝経口投与する。増量が必要な場合は、1週間以上の間隔をあけて1日用量として9mg又は18mgの増量を行う。なお、症状により適宜増減する。ただし、1日用量は54mgを超えないこと。
18歳以上の患者
通常、18歳以上の患者にはメチルフェニデート塩酸塩として18mgを初回用量として、1日1回朝経口投与する。増量が必要な場合は、1週間以上の間隔をあけて1日用量として9mg又は18mgの増量を行う。なお、症状により適宜増減する。ただし、1日用量は72mgを超えないこと。
※12時間効果が続くことから午後からの服用は避ける(寝むれなくなってしまう)
※環境変化が変わるタイミングでの投与は控えたほうがいい
副作用
主な副作用は
食欲減退(42.1%)、不眠症(18.5%)、体重減少(12.0%)、頭痛(8.3%)、腹痛(5.6%)、悪心(5.6%)、チック(5.1%)、発熱(5.1%)
重大な副作用は
剥脱性皮膚炎、狭心症、悪性症候群、脳血管障害
禁忌
・過度の不安、緊張、興奮性のある患者[中枢神経刺激作用により症状を悪化させることがある。]
・緑内障のある患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
・甲状腺機能亢進のある患者[循環器系に影響を及ぼすことがある。]
・不整頻拍、狭心症のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
・運動性チックのある患者、Tourette症候群又はその既往歴・家族歴のある患者[症状を悪化又は誘発させることがある。]
・重症うつ病の患者[抑うつ症状が悪化するおそれがある。]
・褐色細胞腫のある患者[血圧を上昇させるおそれがある。]
・モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤を投与中又は投与中止後14日以内の患者
服薬指導
・1日1回朝に服用すること。朝食前でも後でも構わないが、飲み物と一緒に服用すること。
・噛んだり溶かしたりせずに飲み込むこと。
・土日、休暇時の飲み方については医師と十分に相談しているか。
・依存性の症状を確認(薬を飲みたがるなど)
・薬が処方変更などで残った場合は医療機関に変換すること。
・副作用の説明をしっかり行う。
特に食欲の低下や不眠などに十分に注意し、体重の減少や不眠が悪化する場合は医師に相談するように指導。
昼間に血中濃度が高くなり食欲が減退しがちなので、朝食やおやつ、夕食などを多く取り、1日のカロリーを補うようにするのも手。
コンサータ錠の納入・処方・調剤の条件
・医師、管理薬剤師ともにコンサータ錠適正流通委員会による承認を得られないことには処方・調剤ができない。
・調剤を行う場合は処方医が登録の承認を受けているか、確認しなければ調剤してはならない。
AD/HDって?
不注意(注意力欠如)、多動性(落ち着きがない)、衝動性(予期せぬ行動)を基本症状とする行動疾患で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたす疾患。
・不注意優勢型
・多動性–衝動性優勢型
・混合型
の3つに分類分けされる。
・AD/HDの有病率は学齢期で3-7%、成人期では1.65-4.4%と報告されており、一般に低年齢ほど高く、成長に伴い低下する。
・男女比は8:1とめっぽう男児に多い。