痛風治療薬
以前痛風治療薬の発作中の使い方で記事を書いたんですが、補足がてらに薬の特徴も書いて行きます。
〜治療の基準〜
高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインより
・痛風発作を起こしたことある。または痛風結節のある方
・尿酸値が8.0mg/dL以上で合併症がある方
・尿酸値が9.0mg/dL以上の方
が薬による治療が望ましいとされます。
治療目標は6.0mg/dL まで
痛風発作の場合は急激に尿酸値を下げてしまうと帰って悪化してしまうことがあるので、初めて服用される方は低用量から徐々に量を増やしていきます。
すでに服用している方は服用している尿酸効果薬は中止せずに、発作時は消炎鎮痛剤を投与して様子を見ます。
まずは尿酸がどのように作られるかですね
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DNA、RNA
↓
プリン体
↓
ヒポキサンチン
↓←キサンチンオキシダーゼ
キサンチン
↓←キサンチンオキシダーゼ
尿酸 →→→↓
↓尿細管 ↓尿
再吸収 排泄
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高尿酸血症の原因としては3つあります。
■尿酸排泄低下型
日本人に多いのがこのタイプ。
腎臓で3/4もの尿酸を排泄しているんですが、それが上手くいかずに排泄されにくくなることで、体内に尿酸が溜まっていきます。
■尿酸産生過剰型
尿酸を排泄する機能は正常だが、尿酸を産生する量が過剰なタイプ。高尿酸血症患者のだいたい1割くらい。
■混合型
上の2つどちらも見られるタイプ。高尿酸血症患者の2〜3割くらい。
尿酸降下薬には大きく分けて2つ
◆尿酸排泄促進薬
どちらも尿細管からの尿酸の再吸収を抑制
◇ベネシッド(ブロペネシド)
ほとんど使われないので割愛
ペニシリンと併用することで血中濃度を維持させる使い方も。
◇ユリノーム(ベンズブロマロン)
〜効果効能〜
⚪︎痛風
1回25-50mgで投与し、維持量として1回1錠を1-3回(50-150mg)に分けて投与。適宜増減あり
⚪︎高尿酸血症を伴う高血圧症
1回1錠を1-3回(50-150mg)に分けて投与。適宜増減あり
〜特徴〜
ベネシッドとの違いは尿細管分泌を阻害しない点。作用が結構強力なことから尿中のphが下がりすぎて尿酸結石ができやすくなり腎臓に沈着して腎機能が悪くなってしまうことがあるので、ウラリット(クエン酸カリウム・ナトリウム)と併用することが多い。
劇症肝炎などの肝障害が報告されているので6ヶ月間は肝機能検査を定期的に行う。
◆尿酸生成抑制薬
◇ザイロリック(アロプリノール)
〜効果効能〜
⚪︎痛風、高尿酸血症を伴う高血圧症
1日量200-300mgを2-3回に分けて食後に。適宜増減あり
〜特徴〜
アロプリノールを優先的に代謝させる事でキサンチンオキシダーゼを競合的に阻害
急性発作の場合は症状がなくなるまで、治療は開始しない。治療中の発作はコルヒチンやインドメタシンなどを併用。
◇フェブリク(フェブキソスタット)
〜効果効能〜
⚪︎痛風、高尿酸血症
1日10mg 分1から開始、尿酸値を見ながら徐々に増量 MAX60mg
※もともとザイロリックで尿酸治療中の人でフェブリクに切り替える場合は20mgからもあり
⚪︎がん化学療法に伴う高尿酸血症
1日60mg 分1
〜特徴〜
キサンチンオキシダーゼを''非''競合的に阻害
長時間キサンチンオキシダーゼに結合する
ザイロリックより尿酸降下作用が強い
◇ウリアデック、トピロリック(トピロキソスタット)
〜効果効能〜
⚪︎痛風、高尿酸血症
1回20mg 1日2回から開始、徐々に増量。維持量は1回60mg MAX1回80mg
〜特徴〜
キサンチンオキシダーゼの酵素ポケットに入り、阻害
アルブミン尿を改善する効果もあるとか
⚫︎痛風発作時の薬物療法
インドメタシンやナプロキセンなどのNSAIDsやステロイド剤を併用する。
痛風発作の予兆がある時はコルヒチンを投与
※コルヒチンは好中球の貪食を抑え、炎症物資の生成を抑制する
ざっとこんな感じ
薬以外でも食生活などが大事です。
プリン体を多く含む食品はなるべく避け、水分も食事以外で1.5〜2.0L摂って尿として出させてあげるのが基本となってきます。
調べるといっぱいありますが、加熱したニンニクや海藻類など、尿酸を下げる作用や尿をアルカリ化させ、尿酸結石を溶けやすくする作用があるので効果的ですね(^^)