グレープフルーツジュースと血圧の薬
今日聞かれたのが
ARBを服用されている患者さんに「この前血圧の薬にはグレープフルーツジュースがダメって聞いたんやけど普通に飲んでたわ、、、」
さて今日はグレープフルーツジュースと薬との関係について
よくグレープフルーツジュースと血圧の薬はダメって聞きますけど、どうダメなんでしょう?
まずは薬の代謝について知る必要があります。
簡単に代謝を説明すると、、、
薬や毒物などの生体外の物質は小腸や肝臓で解毒というような形で代謝される。その代謝に関わるのがシトクロムP450モノオキシダーゼ(CYP)という酵素です。多くの薬剤はこの代謝酵素によって代謝されて体外へ排出されます。
ほとんどの薬物は代謝されて外へ出しやすい形になって排出されるんですよね〜
ここでグレープフルーツジュースがどういう風に作用するかというと、、、
グレープフルーツジュースにはフラノクマリン類という成分が含有されており、その成分がCYPの活性を阻害する報告があります。なのでCYPで代謝されていく薬物がCYP阻害によって体の中に多く残ってしまいます。薬の効果が効きすぎてしまうんですよね〜
※グレープフルーツジュースが血圧を下げるということではない。
さらに詳しく言うとCYPには多くの種類があり薬によってどのCYPで代謝されるかが決まっています。
さてここで本題ですが、降圧薬には確かにグレープフルーツジュースと相互作用を起こしてしまうものがあります。
降圧薬の種類には
・カルシウム拮抗剤
・ACE阻害薬、ARB
・利尿薬
・βブロッカー
などがあるんですが、この中でもCYPを阻害するのがカルシウム拮抗剤なんです。
世間では血圧の薬とグレープフルーツジュースという単語がセットみたいになっているので、勘違いしやすいんですよね。
なので冒頭で患者さんが聞いた質問にはしっかり「この血圧の薬は大丈夫です!」とお応えさせて頂きました。
グレープフルーツジュースは好きだけど、血圧の薬を飲んでるし、ダメなのかなと思っている人は1度自分の薬の種類を確認し、また、わからなければかかりつけ薬局などで聞いてみるのもありだと思います(^.^)